現地語話せないデータサイエンティストの僕がブラジルで就職した
概略
ポルトガル語を話せない僕がデータサイエンティストとしてブラジルで就職した話を書こうと思う。
現地語を話せない外国人の就職の例とも言える。
僕と同じ、もしくは似たような条件での就職は数としてはそんなに多くはないと思うので誰かの参考になれば良いなと思っている。ちなみに、写真は就職祝いに会社からもらったスパークリングワインと晩御飯。
スペック
まずは僕のスペックを挙げていく。
日本人
28歳
商学部卒
データサイエンティスト/機械学習エンジニア
ブラジルでパーマネントビザ持ち
既婚
日本語ネイティブで英語はおそらくビジネスレベル
ブラジルでのパーマネントビザはブラジル人との結婚によるものだ。言語は現地語であるポルトガル語はほとんど使えず、英語は、『大体なんでも出来てはいるけどあまり自信はない』ビジネスレベルと言ったところ。
慶應の商学部卒なので、よくある『文系エンジニア』ってやつになる。
ここで『数学はまったくできなかったけど。。』とか入ると『数学できなくても機械学習やデータサイエンスで海外で就職できる』みたいは話にはなるのだろうけど、そうはならない。大学には数学で入っているし、入学後も趣味で数学は勉強していた。そもそも、記憶が正しければ僕の卒業した学部では1、2年時に微積、線形代数、統計学は必修だった。
就職戦略
あらかじめ書いておくと、この記事は『ブラジルはこういう感じだからこういう戦略で就職活動しろ!』という記事では全くない。むしろ、『ブラジルでの外国人就活事情を知らない僕が自分で勝手な戦略を立てて、やってみたらうまくいった。』という記事だ。
では、本題に入ろう。
僕の就活は至ってシンプルだ。『LinkedInでブラジル人と繋がり、英語で書いた技術記事をポストする。』
それだけ。
普通に考えれば、『英語で大丈夫なところにひたすら履歴書を送る』とかが妥当に思えるが、僕の感じたところではなかなか厳しかった。理由は3つある。
1つ目。現地語であるポルトガル語を話せないため僕のことを受け入れられる企業が相当に限定されるという点。『英語可』みたいに書いてあってもやはりそこはポルトガル語も話せる方が良いわけで、その時点で競争が厳しくなる。
2つ目。企業によっては面接より先にテストがあり、そのテストが時間がかかる。データサイエンス、機械学習エリアでの就職は分析テストが設けられていることが多々ある。でもってそのテストが数日から一週間程度使う。問題はこのテストと面接の順番だ。テストが最初にあって、それを通過。その後に面接に行くと、面接官達の英語が怪しく、『うーん、外国人』ってオーラが流れる。
テストのために数日間使ってこれは結構エグい。
3つ目。そもそも外国人なので、自分のしてきた『データサイエンス』や『機械学習』がこの国の『データサイエンス』や『機械学習』とどれだけマッチしてるのかがわからなかった。技術的ミスマッチの可能性が自国にいるときよりも高いということだ。
要するに、外国人なので周りに比べてミスマッチの可能性が高いため、こっちから履歴書を送るよりも、こっちの技術ブログポストを見て、こちらのことをよく知った相手からオファーを貰うほうが楽なのではないかという考えだ。
そしてこれはうまく行った。
『ブログをよんだんだけど。。』みたいな感じで始まるオファーはこちらがポルトガル語を使えないことも、技術的にどういうことに興味があるかもある程度把握されているので話がスムーズに進んだ。テストはブログのおかげで免除されたりされなかったりだった。
結局、ブログは英語で100記事超ポストした。そしてこれからもこれは続けていこうと思う。
技術ブログ
僕の海外での就活はブログがかなり大きい役割を果たした。おそらく、ブログに限らず、GitHub上のコードであったり、公開しているアプリであったり、自身のポートフォリオとして働くものであればどんなものでも良いのだろう。
僕がポートフォリオの重点としてブログを選択した理由は、GitHub上のコードやアプリに比べて『文章の公開量』が増えるからだ。ポルトガル語ができないと以上、『英語ができる』ということは積極的にアピールしていかなければならない。正直言うと、技術内容よりも文章が書けることと更新頻度に関するアピールを重視したため、クオリティにはそんなに自信はない。
それでも、頻繁な更新は学習意欲を、コンテンツは興味とスキルの内容を、文章は語学力をそれぞれ示してくれる。
また、『続けてればオファーは途切れないだろ』みたいな心の支えを得られることも個人的には大きかった。
現地語を理解しない外国人の僕にとって、『これを断ったらもう機会は来ないかもしれない』という不安は常にどこかにあったのだが、ポートフォリオの更新が、妥協せずに断ることを後押ししてくれた。
おかげで、最後まで通ったオファーにすぐに飛びつかずに、きちんと様子を見ながら希望の分野で希望のロールを得ることができた。
テスト
上でも書いた通り、ブラジルでのデータサイエンス、機械学習エリアでの就活は割とテストがある。
僕の個人的な意識としては『テストで落ちることは許されない』というのを常々持っていたし、今でも持っている。
そもそも、外国人であり現地語を話せないという大きいネガティブ要素がある以上、高々テストを突破できないのは色々と厳しい。無論、例外はたくさんあると思うので、その辺はやんわり捉えてほしい。『色々と厳しい』と言い切ってはいるが、『そういう意識』、くらいで考えてほしい。
何にしても、テストはもがいた末にどうにか通るものではなく、余裕を持ってこちらの語学、技術力をアピールできる場であって欲しいし、そうあるべきだ。
テストフェーズで躓くことのないよう、常々勉強していくことは大切だ。
まとめ
僕の就活は
英語で書いた技術ブログの記事を
現地の人々のコミュニティに晒し
声がかかるのを待つ
といったものだった。
ブラジルに来るまでの長い道のりや、僕の感じているブラジルでのデータサイエンスについてなど、書きたいことは結構あるのだが、今回はタイトルに沿った内容だけを書いた。