ファベーラには入らないように
いつだったか忘れたが、日本のニュースだかなんだかで、『日本の大学生が東南アジアのスラムに滞在しできることをする』みたいなのを見た気がする。あれは結局流れたのかな。
東南アジアでいうスラムは大体、ブラジルでいうファベーラだろう。日本人なら中学や高校の社会、地理の教科書で写真付きで見たことがあるであろう不完全な住宅の寄せ集めのようなものだ。
ブラジルに住んで一年の僕がもしも日本からの旅行者にあったら最初の注意することは絶対にファベーラに入らないようにだ。
ファベーラを『少し趣の異なる観光スポット』くらいに考えてはいけない。僕は一度ファベーラに迷い込んだことがあるが、その日の夜は、普段陽気なブラジル人に真顔で説教され、その子供の10歳の女の子には『バカなの?』ってバカを見る目で見られた。
ファベーラに入れない以上、僕に取ってファベーラの情報ってのは大体人伝てになるので100%の信は置けない。とはいえ、ファベーラの説明の文脈で出てくる単語は『治安』、『銃』、『マリファナ』、『マフィア』などなど。
ぬくぬくと守られ育った日本人が触れて良い世界ではないことがわかる。
ちなみに、『ファベーラに迷い込んだ』と書いたが、これについて簡単に触れておく。
ファベーラはどこかの一地域にのみ存在するものではなく、様々な都市の中のいたるところにポツポツと点在している。(気がする)
そこそこ、見た目のちゃんとしたエリアのすぐ横にサラッとファベーラがあったりもする。
当たり前だが、ファベーラの入り口に『ファベーラ入り口』なんていう立て看板はない。そうすると、ファベーラとそうでないエリアの物理的な境界っていうものが(少なくとも僕に取っては)判別しにくい。『少しこのあたり寂れてるな』と思って歩いていたらいつの間にやらファベーラど真ん中ってのが僕が以前体験したパターンだ。
日本人だけで観光でブラジルに来ているときは、少しでも寂れた雰囲気を感じたら警戒レベルをあげるのが良いだろう。